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ArKitypeのブログ

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【COJ】月夜の如き少女 part8 "セーラー服とマシンガン①"【二次小説】

COJ SS 月夜の如き少女

 「―というわけで、今週の金曜日には私達のクラスに教育委員会の皆さんが視察に来ることになりました。 皆さんは、当日も勿論、日ごろも正しい学生生活を心がけてくださいね。」

 ある日、京極院沙夜が所属するクラスではホームルームとして、担任の教師が教壇で視察についての説明をしていた。 なんでも、今回はかなりのお偉い方が来るとのことで、生徒たちには規律ある行動を、と再三注意を呼びかけている。 一部の生徒が話半分に聞いているのをとがめては、同じ話をはじめから繰り返すので、中々終わらない。 それから10分ほどして、ようやく諸注意が終わり、放課後となった。

 やっと開放されたと言わんばかりに背筋を伸ばしたりあくびをしたりしながら生徒たちが教室をあとにする。 そのような仕草をせずとも友達とさきのホームルームの愚痴を小声で話す生徒もいる。 そんななかに混じって沙夜も教室を出ようとした時、

「あ、京極院さん。 少しお話があるのでちょっと待ってもらえる?」

  別段何もしていないので沙夜には呼び止められる覚えはなかったが、無下にするわけには行かないので教室のドアの隅で待ちぼうけすること5分。 授業の資料や出席簿などを抱えた教師に職員室に連れられていった。

「…それで、お話なんだけれどもね。」

「はい、何でしょうか。 」

 職員室の隅にある来客用のソファーに対面で腰掛ける沙夜と教師。 校内でも噂の絶えない和服生徒の来室に下級生の教師たちが興味ありげな視線を送るなか、沙夜への「お話」が始まった。

「金曜日に、委員会の方がうちのクラスに来られるのはさっき話した通りでしょう? それで、京極院さんの服装についてなんだけど…」

 どうやら、担任教師は視察の人間たちに沙夜の和服を咎められるのを危惧しているらしい。 確かに学ランとセーラー服の間に1人だけ黒の和服の少女がいるのは悪目立ちどころではない。 だが、

「先生、つまり当日はこの服では無く制服を着ての登校をしてほしいということですか?」

 いつもの古めかしい口調ではなく敬語で話す沙夜。  いつぞや沙夜にアイドルデビューを勧めた少女がこの光景を目にすれば「敬語の沙夜ちゃんも新鮮でカワイイッ!」などと言い出すやもしれない。 確かに珍しい場面である。

「そうそう! 京極院さんは物分かりが良くて助かるわぁ。 それでね、当日には制服を着てもらいたんですけど…」

「分かりました。 両親にもその旨の話を先生から伝えてください。」

 一家の伝統を守る面もあって、和服を着続けているところもあうので、流石に沙夜の一存では決められない。 

「じゃあ、京極院さんは同意という形で伝えておくわね。 それじゃあ、お家でご両親と相談しておいてね。 もし断られた場合はこちらからも掛け合うわね。」

 若干話が先方で先走っているような気もしたが、暴走機関車との評もある担任教師をどうこう出来るわけでは無いので、沙夜は一礼して職員室を出た。 

「セーラー服…どんな着心地なのかのう…」

 そんなことを夢見がちに家路に付くのだった。

 

 その日の夜。 食卓にて。 担任教師からの連絡も伝わってるらしく、食事が始まるなり金曜日についての話題になった。

「それで、沙夜。沙夜は制服での登校を了承しているって先生から聞いたけど、実際のところはどうなの?」

 父親の茶碗にご飯を装いつつ、沙夜の母が尋ねる。

「はい、学校の事情もありますので、その日は制服での登校を考えています。」

「そう…私はできればウチのお仕事の関係もあるし、沙夜には和服でいてほしいけれど…どうしましょう。」

 沙夜の母もまた京極院家の娘として子供の頃は和服での生活をしていて、今でも霊媒師としての仕事をする時は和服で行っている。 沙夜の父はそんな和服美人な沙夜の母を街で見かけ一目惚れして婿入りまで一気にゴールイン、という話しらしい。

「あなた、あなたはどう思います?沙夜の制服の話。」

 夕刊に目を落としている父親が妻の質問に気付き、慌てて夕刊をたたむ。

「えーっと、それでなんの話だったんだい?」

 「あなたはホントものを読んでいると何も聞こえなくなるのは相変わらずね。 沙夜が金曜日に制服での登校を頼まれたらしいんですけどあなたはどう思う?」

「ははあ、そういう話だったのか…うむ…沙夜が制服で登校か…まあ、沙夜がいいのなら私はそれでいいと思うよ。」

「あなた、本当にそれでいいの?」

 即答ぶりに沙夜の母が驚いて尋ねる。

「うん、確かにウチの京極院としては和服での登校が望ましいのは確かだけど、沙夜が件の国の組織にスカウトされたのもあると、どうもこの稼業にそこまで沙夜が縛られることも無いのかな、と思ったんだよ。 キミの霊媒師としての仕事を否定するわけじゃないけど、どうやらこの世界も一筋縄じゃ行かないらしいしね。この稼業の存在も危うくなりかねない時代だ。 沙夜にはウチだけでなく他の世界の可能性を見てもらいたいし、そのためには制服の登校もアリじゃないかな、と僕は思うよ。」

 夫の力説が終わると、沙夜の母はしみじみと話しだした。

「そうね…あなたの言うとおりだわ。 沙夜のためにも、制服の話、了解の旨で話しておくわ。 沙夜、それでいい?」

「はい、分かりました。」

「それじゃ、後で制服出しておくわね。」

 そうして、制服についての話はまとまり、日は過ぎていった。

 金曜日の朝。京極院家はいつもより慌ただしかった。 沙夜の父はカメラはどこかと探しまわっている。 母も朝なのに少し気合の入った服を着ている。

「母上、一体何事ですのじゃ」

  着替えを終えて部屋から出てきた沙夜が父親の慌て振りに驚く。

「あら、沙夜。セーラー服も似合ってるわね。 もうお父さんったら、家族写真をとると大騒ぎでねえ。 さっきからずっとカメラを探しててあの調子なのよ。」

 すると、目当てのものを見つけたのか、寝ぐせがついたままのぼさぼさ髪の父が駆け寄ってきた。

「おお、沙夜。 似合ってるぞ! 母さんもきれいな服だな! ちょっと髪を直してくるから待っててくれ!」

 と、沙夜にカメラを、沙夜の母に三脚を押し付け、洗面台へと急いでいった。

「あんなに慌ててるお父さん、何年ぶりかしらねえ。」

 沙夜の母が少し嬉しそうに話す。

「それだけ沙夜が大好きなのよ。勿論お母さんも沙夜のことは大好きよ。」

「す、少し恥ずかしいのじゃ母上。」

 普段言われないようなことを言われ、照れくさそうにする沙夜。 母がふふっと微笑む。

「よぉし! 準備は万端だ! さ、ふたりとも玄関に並んで並んで!」

 父が二人を急かす。 二人が並ぶと、三脚にカメラを取り付け、タイマーを作動させた。

「ささ、笑って笑って!」

 父と母の間に沙夜が入る形で父が並ぶ。数秒後、シャッターがカシャリという音とともに切れた。

 沙夜と母はやわらかな笑顔だったのに対し、父親がガチガチに引きつった笑顔だったので、その後何枚か撮り直したのはまた後の話。

 その日の学校は沙夜の制服姿に学校中が騒然としたという。また沙夜がアイドルデビューを勧められたのは言うまでも無い話だろうか。

 兎にも角にも、波乱の一日の幕が明けたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

皆さん制服コスチューム買いましょう(マーケティング)

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